2011年4月8日金曜日

CSRとフィッシュサステナビリティ

CSR=企業の社会的責任について、近年益々注目が集まっている。

本来政府や政治が解決しなければならない社会的な問題の解決を、民間企業の助けをかりて行おうというのが基本にある。
企業はもともと社会の一員であり、資本主義社会における企業の存続理通は『利益をあげて社会に貢献する』ことである。ところが日本の大企業の多くは、「社会」を「市場」としてしかとらえず、「市民」を消費者としかとらえてこなかった。

つまり、「市場を構成する消費者」には興味があっても「社会を構成する市民」という存在には目も向けてこなかったのである。そんななかで登場してきた「社会貢献」や「環境対策」「フィランソロピー」や「ボランティア」などは「負担」や「義務」でしかない、というとらえ方が主流であった。

社会構造の変化の中でより一層社会との係わり強化を求めるCSRにおいては、あらゆるステークホルダーに向けた係わりが求められるが、優先順位のたかものとされているのが「企業の事業活動と係わりのある社会的課題の解決」というCSR活動である。

その一つの例を紹介したい。

$マグロ保存会

「カツオが教えてくれる生物多様性」(オルタナ24号より)

味の素は2009年から奄美大島などでカツオの生態調査を始めた。

味の素CSR部の専任部長によれば、きっかけは2006年にWWFの水産担当者ら「『ほんだし』原料のカツオの持続可能な調達を考えて欲しい。海の生態系は危機的状況にある」というアドバイスを受けてからだという。
同社では手探り状態の中、2007年からカツオの関係者からヒアリングを開始。そしてわかったことは「カツオの生態はよくわかっていない」という意外な事実だった。味の素は、独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所に相談し、太平洋沿岸のカツオの生態系調査に乗り出すことになった。
(以下詳しくは本誌をご覧下さい)

2年間の成果を踏まえて新たな2カ年計画をスタートするという。研究成果への期待は高まっている。

さて、カツオ同様マグロの生態も詳しくわかっていないという。
マグロで糧を得ている大企業の皆さん、勝川俊雄先生あたりに相談して、マグロの生態調査をしてみませんか。きっと、ヨコワの巻き網漁などぜったい出来なくなると思うんですが。

だからやらないのか。


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2011年2月19日土曜日

IUU漁業とは

TRAFFICが主催する「水産資源の持続可能な漁業とトレーサビリティの確保にむけて」というセミナーに行ってきた。テーマは「IUU漁業」だ。

今回は、2010年から本格的なIUU規制を開始したEUの代表で英国環境・食料・地方開発相の担当者と、EUU向けの輸出国であるナミビア漁業・水産資源省の担当者から話を聞いた。

IUUとは、国際的なルールを遵守しない便宜置籍漁船等による無秩序な操業のことで
Illegal(違法)、Unreported(無報告)、Unregulated(無規制)
の頭文字をとってIUU漁業と呼ばれている。

いくら漁獲制限や漁法制限を実施しても、違法な漁業だ続けば資源の枯渇は免れません。
日本でもマグロが話題になった昨年あたりから、漁獲証明書のない産品の輸入を差し止めたりしていますが、なかなか実効性のある管理は難しいようだ。

じつは、IUUの中で最も問題なのは最後のUnregulated(無規制)。
度々とりあげていますが、日本近海のヨコワ(マグロの幼魚)の巻き網漁は、マグロの未来を一網打尽にする業法なのだがほとんどなんの規制もない。
日本近海から大型のクロマグロが激減しているが、幼魚を一網打尽にしているのだからあたりまえだ。

日本ではすぐ、難しい、出来ないと言ってしまうIUU規制だが、お二人の話から「やれば出来る」ことが実感できた。

私たちは、もっともっと
漁業資源の「サステナビリティ(持続可能性)」と「トレーサビリティ(遡及性)」について関心を持たなければならない。

マグロや鮭を食べ続けたいのなら。

$マグロ保存会
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2011年2月4日金曜日

ヨコワ守れるか。新しい動き。

以下、日経ビジネスより引用

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マグロ争奪戦に意外な商機

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は先月、日本近海を含む太平洋の西側でクロマグロの漁獲量を削減する国際規制を採択した。国際的に水産資源の管理厳格化が進む中、日本の対応が十分効果を上げていないという不信感は、国際社会ではまだ根強い。そこで水産庁も動き出した。

成魚だけでなく幼魚まで一網打尽に取ってしまうことで国際的に問題となっている「巻き網漁」の規制を国際会議で提言。さらに、今春からは国内の沿岸漁業におけるクロマグロ漁を届出制に移行し、漁獲実績報告の提出を義務化する予定だ。将来的には、漁船数も規制する可能性がある。沿岸漁業における漁獲高の管理厳格化は、クロマグロの幼魚である「ヨコワ」の資源を守るという目的もある。

この規制で影響を受けるのは、国内のクロマグロ養殖業者だ。近畿大学が2002年にクロマグロの完全養殖に成功するまでは、養殖用クロマグロの幼魚は、天然のヨコワに頼ってきた。そのヨコワ漁が規制されるとすれば、幼魚の仕入れが従来より困難になるのは確実だ。

続きはこちらで。

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マグロを継続的に食べられるかどうかは
「巻き網漁の規制」と「ヨコワの保護」にかかっているんのです。

2011年1月5日水曜日

マグロ最高価格

築地の初競りでマグロの史上最高価格が誕生した。



342kgで3249万円。
10g920円。
一切れ3000円くらいかなあ。

幼魚であるヨコワで漁獲されたら
一切れ30円くらいかなあ。

マグロは大きくなるまで見守って欲しいね。

2010年12月27日月曜日

正月のマグロ

知人が築地に忘年会用のマグロを買いにいったのだが
天然物の本マグロがないのだという。

仕方なく畜養物を仕入れてきたということで
二切れほど頂いた。

信州出身のわたしには、暮れ正月にマグロを食するという習慣がないが
上野のアメ横や築地でこの時期
ものすごい勢いでマグロが売買されているということは
東京の人たちはさぞかし沢山食べるのだろう。

しかし、もうそろそろ猫も杓子もマグロマグロと騒ぐのは止めたらどうだろうか。
他にも旨い魚はいくらでもあるのだから。

ましてや正月なら、東は鮭、西は鰤というのが相場というものだ。

が、が

なんと、富山では鰤もとれなくなってきているらしい。

その原因はマグロと同じ。
巻き網船が幼魚を一網打尽にしてしまうのだ。
よこわ(マグロの幼魚)やふくらぎ(鰤の幼魚)を取り尽くす現在の漁法をなんとかしないと、日本近海から大型魚はいなくなってしまう。

そんなこと、盗っている漁業会社が一番わかっているはずなんだけどなあ。

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2010年12月16日木曜日

太平洋クロマグロの規制すすまず

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)=「中西部太平洋における高度回遊性魚類(カツオ、マグロ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続的な利用を確保することを目的として設立された地域漁業管理機関」の年次総会が先週ハワイで開催された。

結局、太平洋のマグロ保護はあまり進展しなかった。
よこわなどの未成魚の漁獲量削減なども盛り込まれているが、具体的数字もなく、韓国もはいっていない。

日本が提案した「大型まき網漁船の増隻抑制措置」も進展がなかった。

巻き網船の増隻抑制も必要だろうが、まず
日本の大型巻き網船船による日本海の「よこわ漁」を止めさせよう。


以下水産庁サイトより
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(1)太平洋クロマグロの保存管理措置

本年9月の北小委員会(*)で作成された保存管理措置案を基に審議を行い、以下を内容とする保存管理措置を採択した。

 (ア)2011年及び2012年において、沿岸の零細漁業(ひき縄等)を除き、クロマグロを漁獲する努力量は2002-2004年水準よりも低く保たなければならない。また、この措置は、韓国を除き、未成魚(0-3才)の漁獲量を2002~2004年水準よりも減らす措置を含まなければならない。

(イ)韓国は、この保存管理措置に従って、自国漁業を管理することにより、未成魚の漁獲量を規制するために必要な措置を講じなければならない。加盟国及び協力的非加盟国は、これに協力する。

 (ウ)これらの措置は2012年に再検討される。


 *北小委員会は、北緯20度以北の海域におけるクロマグロ、ビンナガ、メカジキについて、保存管理措置案を作成し、年次会合に勧告を行うWCPFCの下部組織です。

(2)メバチ・キハダの保存管理措置

  現在の保存管理措置(メバチ漁獲を2009~2011年の3年間で30%削減)の実施状況、追加的措置について議論。日本より、大型まき網漁船の増隻抑制措置を提案したが、議論は収束せず、来年保存管理措置の見直しに合わせて再度議論されることとなった。

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2010年12月14日火曜日

4ヶ月ぶりのマグロ

マグロの刺身は一月に6切れまで、という
「マグロ6P運動」を提案しております。

もちろん自分で実践するつもりです。が
前に食べたのは田舎に帰ったお盆の時。
ずいぶん長いこと食べなかったものです。
べつに困りませんでしたが

今日は新橋で寿司を食べました。
マグロは赤身が一切れです。

本マグロではなさそうですね。

でもこれで十分です。
寿司ネタにはマグロ以外にも美味しいものがたくさんあります。
たとえばこの寿司に入っていた「茄子漬け」。
目から鱗の美味しさです。

何でもかんでもマグロではなく
他の魚やネタも食べましょうね。


$マグロ保存会

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