2010年11月5日金曜日

忘れ去られるクロマグロ危機

すこし忙しい日々を送っていたら、わたしのブログも滞りがちになってしまった。

たとえば「マグロ6P運動」は未だにちゃんと続けているし、COP10ではフィッシュサステナビリティに関する講演を聴きに名古屋まで行ったりもした。

しかし、世間の空気からマグロの話題、とくに資源枯渇もんだいのあるクロマグロの話題がすっかり消えてしまったように思う。

グーグルトレンドで調べてみると、その傾向は顕著である。
今年3月、ワシントン条約で取引禁止になるかならないか、と騒がれていた頃をピークに、最近ではすっかり下火になってしまった。



最近のテレビ番組は、マグロの資源枯渇などどこ吹く風。
消費を煽るようなものばかりである。

のど元すぎれば暑さを忘れる。
そんなことではだめだ。


*このブログはフィッシュサステナビリティについて書いています。

2010年9月21日火曜日

『日本の食卓から魚が消える日』小松正之著

根が深すぎる。

この本を読んだかんそうだ。

フィッシュサステナビリティを推し進めながら
マグロをはじめとした美味しい魚を食べ続けたい。
そんな希望をうち砕くのが『日本の食卓から魚が消える日』だ。

漁業資源の持続可能性がこんな理由は概ね下記の要因だという。

1.気象変動
地球温暖化をはじめ海流の変化などによって資源状況が激変している。

2.乱獲している
80%以上の漁業資源が乱獲されている。

3.漁業関係者が資源保護を考えていない。
伝統的な漁法なら急激な資源喪失はないが、巻き網などで一網打尽の上、混獲などで資源の無駄使いをしている。マグロでは畜養が問題。

4.資源保護のルールが甘い。甘いルールすら守らない。ルール違反の漁獲物も平気で流通している。

5.国の行政が消波ブロックや港湾工事にばかり金を使って、漁業や資源の保護に金を使わない。

6.資源保護、食料安全性、トレーサビリティーなどに消費者の関心が向かない。

この本を読むと日本のマグロや魚は絶望だ。
美味しくも安全でもない魚をありがたがって食べるような時代がきてしまいそうな気がする。

何も考えずにマグロばかり食べていないで
金のためだけにマグロを売っていないで
魚に関係ない漁業予算ばかり使っていないで
真剣に、
安全で持続な能な漁業資源を守っていかなければならない。
$マグロ保存会




























このブログは、フィッシュサステナビリティについて書いています。

2010年9月15日水曜日

クロマグロ規制韓国拒否!だけど

今月7日~10日に福岡で「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第6回 北小委員会」が開催され、北小委員会が対象とするまぐろ類の資源管理等について検討が行われました。
「中 西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」は、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続可能な利用を 確保することを目的とした委員会です。北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(クロマグロ、ビンナガ、メカジキ)の保存管理措置について 本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織で、参加国は、日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、フィリピン、バヌアツ、台湾(中国は欠席)です。

水産庁のプレスリリースによれば、下記の内容が決定されましたが、クロマグロの漁獲規制について韓国が留保したため、次回の会合まで持ち越しとなりました。

【水産庁プレスリリースより抜粋】
(1)北資源に関する保存管理措置
クロマグロ
漁 獲圧(特に未成魚)を2002年~2004年の水準よりも引き下げるべきとの科学委員会(ISC*)による資源評価結果に従い、以下を内容とする保存管理 措置の勧告案が取りまとめられたが、韓国は、今回の北小委員会での受け入れを留保したため、北小委員会としての合意は、12月に開催される「第7 回 WCPFC年次会合」まで持ち越されることとなった。
(ア)2011年及び2012年において、沿岸の零細漁業(ひき縄等)を除き、クロマグロを漁獲する努力量は 2002-2004年水準よりも低く保たなければならない。またこの措置を取るに当たり、未成魚(0-3才)の漁獲量を2002~2004年水準よりも減 少させなければならない。

(イ)これらの措置は2012年に再検討される。

ビンナガ
来年の科学委員会(ISC)における資源評価の結果に従って、来年、現行の保存管理措置(現状の漁獲努力量を増加させない)の検討を行うこととなった。

メカジキ
資源状態が健全であるとの結果を受けて、保存管理措置の導入についての議論は行われなかった。

(2) その他の資源に関する保存管理措置
カツオ
北上群のカツオ来遊量の減少について、北小委員会として、本委員会に対し懸念を表明するとともに、保存管理措置の考慮にこれを反映するよう求めることとなった。


【グリーンピース・ジャパンのWebより引用】
グ リーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「韓国が漁獲する太平洋クロマグロの9割は日本で消費されているが、資源状態の悪化が指摘され る魚種の漁業管理を拒否する国で生産されるクロマグロを購入・販売することは、生物多様性の保護にも、海の恵みを次の世代に残すことにも逆行する」とし、 もし韓国政府が12月までに今回の漁業規制案への留保を解除しない場合、日本の大手スーパーや飲食店チェーンに対し、韓国で生産されるクロマグロを取り扱 わないよう求めていく活動方針を明らかにした。
【引用ここまで】

結局制限拒否する韓国を非難するより、日本がクロマグロの消費をまず減少させなければならないのですね。
それに、やはりカツオ資源も心配な状況になってきますね。

このブログは、フィッシュサステナビリティについて書いています。

2010年8月30日月曜日

どこのマグロ?

いま食べようとしているマグロは
どこでどう捕獲され、どう流通してここにいるんだろう。

そんなことを考えて食べないといけないようだ。
同じクロマグロ(本マグロの表記も)でも、規則を守って捕獲されたものもあれば、違法操業によって捕獲や畜養されたマグロもいるのだ。

クロマグロなどは世界で捕獲量が決まっているのに、日本の輸入量が平気でそれを越えたりしているのだ。
違法、違反とわかっているのに輸入している業者もいるのだ。
まあ、国もこれまでは黙認していた。
今年からは、多少厳しくチェックするようだ。
私たちも食べるのなら、できる限りトレーサビリティーを気にしよう。
消費者が求めなければ、流通業者はやりたがらないだろう。

いまむやみに食べてはいけないマグロとは・・・

北大西洋や地中海で漁獲制限を越えて獲られた大西洋クロマグロ。
漁獲量を偽って捕獲し、畜養した大西洋クロマグロ。
日本近海の巻き網漁によって捕獲されたマグロの幼魚、ヨコワ。
畜養されたミナミマグロ。
イルカや多の魚種の混獲に配慮せず捕獲された、メバチやキハダやカツオ。

なんか、ほとんど食べちゃ駄目なのかなあ。

トレーサビリティーが完璧なのは近代マグロだろうけれど、そのへんのスーパーじゃまだ手に入らないんだよね。

この記事は、フィッシュサステナビリティーについて書いています。

$マグロ保存会

2010年8月23日月曜日

メバチも危ない

東南アジア地域での「巻き網漁」による、キハダ、メバチ、カツオなどの乱獲で資源がピンチだと以前報告しましたが、メバチがかなり危険な状態であることがWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)の科学委員会で明らかになりました。

以下、グリーンピースのプレスリリースです。

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メバチマグロ、中西部太平洋で激減
――中西部太平洋マグロ類委員会の科学委員会が資源評価を発表

【記事抜粋】

南 太平洋のトンガにおいて19日に閉幕したWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)の科学委員会で、中西部大西洋のメバチマグロが激減していることが報告 された。これを受けてグリーンピースは、国内の大手スーパーや飲食店チェーンに対し、持続可能な魚介類の調達方針を作成するよう取り組みを求めた。

資 源評価の報告によると、中西部太平洋におけるメバチマグロの現在の親魚資源量は、初期資源の17%にまで減少(注1)。今年3月にワシントン条約で禁輸措 置が議論された大西洋クロマグロは親魚資源量が初期資源の15%とされており、比較するとメバチマグロの資源状態の深刻度がうかがえる。さらにマグロ・カ ツオ類の中でもっとも資源状態が良いとされ、鰹節の原料のカツオにおいても、今回はじめて資源量の減少が報告された(注2)。これらの魚種は海洋で主に FAD (人工集魚装置)によって集められ、巻き網で一網打尽に漁獲されて、WCPFCによる管理の甘さが過剰漁業を許している。

記事の全文はこちら

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資源管理団体と漁業者の目先の利益追求が、科学的なデータを無視した過剰漁獲に走らせているのでしょうか。
「消費者のニーズ」が乱獲の理由にならないように、私たちも食べているマグロのトレーサビリティーをしっかり確認する必要があると思います。
しかし、スーパーの表示だけではわからないんですよね。
このあたりの改善が必要になってくるでしょうね。

この記事は、フィッシュサステナビリティについて書いています。

2010年8月19日木曜日

マグロ2歳以下で90%捕獲

太平洋クロマグロは、親魚(3歳以上)になる前に
90%が捕獲されてしまう。
これでは資源量を維持できるわけがありません。

特に0歳のヨコワは、消費される尾数の70%以上に達しています。
以前「マグロの子を食べるな」でも紹介しましたが
3年待てば市場価値は数十倍になるのに、捕獲しやすいということで
幼魚の巻き網漁が行われているのです。

宮原審議官の話によれば、多数の巻き網漁船が操業しているのでなく
ほんの数隻の大型船が一網打尽にしているのだという。
伝統的な小型漁船の曳き縄や一本釣り漁法なら、問題になっているほど大量な捕獲はされない。

だとしたら、数隻の巻き網船を規制できないのだろうか。
できないのだという。
いろいろ、あるから。
そもそも、小さな漁協の1年分を1回の操業で捕獲してしまうような巨大巻き網船の製造や操業が、法律で管理できないのだそうだ。
なんて国なんだろう。

結局、一部企業の利益のために、国民の資源が浪費されてしまうのだ。

巨大巻き網漁船を操業している会社の方へ
ひとまずヨコワの巻き網漁は止めて頂けませんか。

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このブログは、フィッシュサステナビリティについて書いています。

2010年7月27日火曜日

マグロをめぐる国際シンポジウム

ドーハの会議が終わって、マグロ禁漁の話題がすこし下火になっていますが、漁業資源としてのマグロが危機的な状況にあるのは変わっていません。一方、海の 食物連鎖の頂点に立つマグロのことですから、漁業資源としてではなく海の生態系としてこの問題をとらえる必要があるようです。

WWFが主催する「消費者と考える国際マグロシンポジウム 日本の食卓が地球環境を変える」というイベントが8月3日に行われます。私も参加登録をしました。
内容は下記です。
(WWFホームページより)
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WWF の国際的なネットワークを通じた海外のマグロ漁獲国や、日本の主要なマグロ生産者からの現地報告、日本の漁業問題の窓口でもある水産庁の関係者にも 講演いただき、消費者としてどう取り組むことが必要かを一緒に考えます。消費者である私たちひとりひとりの行動が地球環境の問題を解決する力となります。
■講演
「食卓から見たマグロ~マグロの基礎知識」
緑川聡 (社団法人 漁業情報サービスセンター流通課主査)
「国内外のマグロ資源管理の現状と課題」
宮原正典 (水産庁資源管理部審議官)
■報告
「WWFの考えるマグロと環境問題」
山内愛子 (WWFジャパン 水産担当)
「地中海におけるクロマグロ漁業の歴史とその危機」
スサナ・サインズ・トラパガ(WWF地中海オフィス担当)
「壱岐のマグロ一本釣り漁の現場から」
松尾五郎、大久保晃 (長崎県壱岐一本釣り漁師)
「大間のマグロ一本釣り漁の現場から」
濱端廣文 (青森県大間漁業代表理事組合長)
「中西部太平洋:持続可能なマグロ漁業推進プロジェクト」
ホセ・イングルス(Jose Ingles :WWFコーラルトライアングル担当)
■パネルディスカッション
「日本の消費者にしてほしいこと。これからの持続可能なマグロ消費の展望」
話題提供:マーク・パウエル (WWFインターナショナル)
ファシリテーター:東梅貞義 (WWFジャパン)
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どれも、興味深い内容ですね。

興味のある方は、是非参加してください。

MSC認証のカツオが食べられるようです。
参加費は1,000円。
申し込みは30日までです。
詳しくはWWFのWebサイトで。