2010年7月15日木曜日

マグロの子を食べるな!

日本人は魚の卵が大好きだ。

数の子、イクラ、すじこ、たらこ、ひめこ・・・・
様々な魚の卵を食べまくる。

卵を食べちゃったら魚は減るよね。
減るはずだよね。
ということで、数の子の親のニシンは、日本沿岸ではほとんど絶滅した。
いまではカナダ産やアラスカ産などを輸入している。

イクラだって激減している。
日常何気なく回転寿司なんかで食べているイクラのほとんどは人工イクラだ。
油と海草エキスを主成分にして作るらしい。

タラコだって日本沿岸では激減し、ほとんどが輸入頼りだ。

ところで、マグロ子って食べたことないよね。
珍味にもないか。と思ったら「珍味マグロのたまご」って言うのがありました。
食べるんだ。マグロの卵。


で、今日の話は卵ではなく、クロマグロの子供。ヨコワという幼魚です。

三重大学の勝川俊雄先生によると、近年日本海では巻き網漁によってヨコワを大量に捕獲しているとのこと。
親魚になって産卵する前に巻き網でそれこそ一網打尽にしてしまうため、大型をねらう一本釣りではどんどん大型が釣れなくなってきているという。

先生の試算によれば、ヨコワ漁161万尾は4,856トンでおよそ27億円の水揚げとんっている。
これが、4年待ってマグロになってから56万尾捕獲すれば、29,547万トンで408億円。

さらに2年待って一本釣りの対象になるまで大型にすれば、47万尾で43,959万トンで2235億円。
6年間休漁するだけで2000億円以上になる資源を、100分の1の価値でとりつくそうとしているらしい。
コヨワ漁6年分の漁業補償はおよそ180億円。
年間の水産関連予算3,500億円に比べたら微々たるもの。
補償して禁漁にしてしまえばいいのだ。
ところが、予算の大半は港湾整備などの土木工事に消えてしまい、水産資源の将来投資には回らないのだという。

役人のビジョンのなさと漁業関係者の目先重視が、日本近海からクロマグロの親魚を絶滅させているのだ。

勝川先生の声に耳を傾けよう。



このブログはフィッシュサステナビリティについて書いています。

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