2011年2月19日土曜日

IUU漁業とは

TRAFFICが主催する「水産資源の持続可能な漁業とトレーサビリティの確保にむけて」というセミナーに行ってきた。テーマは「IUU漁業」だ。

今回は、2010年から本格的なIUU規制を開始したEUの代表で英国環境・食料・地方開発相の担当者と、EUU向けの輸出国であるナミビア漁業・水産資源省の担当者から話を聞いた。

IUUとは、国際的なルールを遵守しない便宜置籍漁船等による無秩序な操業のことで
Illegal(違法)、Unreported(無報告)、Unregulated(無規制)
の頭文字をとってIUU漁業と呼ばれている。

いくら漁獲制限や漁法制限を実施しても、違法な漁業だ続けば資源の枯渇は免れません。
日本でもマグロが話題になった昨年あたりから、漁獲証明書のない産品の輸入を差し止めたりしていますが、なかなか実効性のある管理は難しいようだ。

じつは、IUUの中で最も問題なのは最後のUnregulated(無規制)。
度々とりあげていますが、日本近海のヨコワ(マグロの幼魚)の巻き網漁は、マグロの未来を一網打尽にする業法なのだがほとんどなんの規制もない。
日本近海から大型のクロマグロが激減しているが、幼魚を一網打尽にしているのだからあたりまえだ。

日本ではすぐ、難しい、出来ないと言ってしまうIUU規制だが、お二人の話から「やれば出来る」ことが実感できた。

私たちは、もっともっと
漁業資源の「サステナビリティ(持続可能性)」と「トレーサビリティ(遡及性)」について関心を持たなければならない。

マグロや鮭を食べ続けたいのなら。

$マグロ保存会
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このブログは「フィッシュサステナビリティ」について書いています。

2011年2月4日金曜日

ヨコワ守れるか。新しい動き。

以下、日経ビジネスより引用

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マグロ争奪戦に意外な商機

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は先月、日本近海を含む太平洋の西側でクロマグロの漁獲量を削減する国際規制を採択した。国際的に水産資源の管理厳格化が進む中、日本の対応が十分効果を上げていないという不信感は、国際社会ではまだ根強い。そこで水産庁も動き出した。

成魚だけでなく幼魚まで一網打尽に取ってしまうことで国際的に問題となっている「巻き網漁」の規制を国際会議で提言。さらに、今春からは国内の沿岸漁業におけるクロマグロ漁を届出制に移行し、漁獲実績報告の提出を義務化する予定だ。将来的には、漁船数も規制する可能性がある。沿岸漁業における漁獲高の管理厳格化は、クロマグロの幼魚である「ヨコワ」の資源を守るという目的もある。

この規制で影響を受けるのは、国内のクロマグロ養殖業者だ。近畿大学が2002年にクロマグロの完全養殖に成功するまでは、養殖用クロマグロの幼魚は、天然のヨコワに頼ってきた。そのヨコワ漁が規制されるとすれば、幼魚の仕入れが従来より困難になるのは確実だ。

続きはこちらで。

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マグロを継続的に食べられるかどうかは
「巻き網漁の規制」と「ヨコワの保護」にかかっているんのです。