2010年9月21日火曜日

『日本の食卓から魚が消える日』小松正之著

根が深すぎる。

この本を読んだかんそうだ。

フィッシュサステナビリティを推し進めながら
マグロをはじめとした美味しい魚を食べ続けたい。
そんな希望をうち砕くのが『日本の食卓から魚が消える日』だ。

漁業資源の持続可能性がこんな理由は概ね下記の要因だという。

1.気象変動
地球温暖化をはじめ海流の変化などによって資源状況が激変している。

2.乱獲している
80%以上の漁業資源が乱獲されている。

3.漁業関係者が資源保護を考えていない。
伝統的な漁法なら急激な資源喪失はないが、巻き網などで一網打尽の上、混獲などで資源の無駄使いをしている。マグロでは畜養が問題。

4.資源保護のルールが甘い。甘いルールすら守らない。ルール違反の漁獲物も平気で流通している。

5.国の行政が消波ブロックや港湾工事にばかり金を使って、漁業や資源の保護に金を使わない。

6.資源保護、食料安全性、トレーサビリティーなどに消費者の関心が向かない。

この本を読むと日本のマグロや魚は絶望だ。
美味しくも安全でもない魚をありがたがって食べるような時代がきてしまいそうな気がする。

何も考えずにマグロばかり食べていないで
金のためだけにマグロを売っていないで
魚に関係ない漁業予算ばかり使っていないで
真剣に、
安全で持続な能な漁業資源を守っていかなければならない。
$マグロ保存会




























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2010年9月15日水曜日

クロマグロ規制韓国拒否!だけど

今月7日~10日に福岡で「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第6回 北小委員会」が開催され、北小委員会が対象とするまぐろ類の資源管理等について検討が行われました。
「中 西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」は、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存及び持続可能な利用を 確保することを目的とした委員会です。北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(クロマグロ、ビンナガ、メカジキ)の保存管理措置について 本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織で、参加国は、日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、フィリピン、バヌアツ、台湾(中国は欠席)です。

水産庁のプレスリリースによれば、下記の内容が決定されましたが、クロマグロの漁獲規制について韓国が留保したため、次回の会合まで持ち越しとなりました。

【水産庁プレスリリースより抜粋】
(1)北資源に関する保存管理措置
クロマグロ
漁 獲圧(特に未成魚)を2002年~2004年の水準よりも引き下げるべきとの科学委員会(ISC*)による資源評価結果に従い、以下を内容とする保存管理 措置の勧告案が取りまとめられたが、韓国は、今回の北小委員会での受け入れを留保したため、北小委員会としての合意は、12月に開催される「第7 回 WCPFC年次会合」まで持ち越されることとなった。
(ア)2011年及び2012年において、沿岸の零細漁業(ひき縄等)を除き、クロマグロを漁獲する努力量は 2002-2004年水準よりも低く保たなければならない。またこの措置を取るに当たり、未成魚(0-3才)の漁獲量を2002~2004年水準よりも減 少させなければならない。

(イ)これらの措置は2012年に再検討される。

ビンナガ
来年の科学委員会(ISC)における資源評価の結果に従って、来年、現行の保存管理措置(現状の漁獲努力量を増加させない)の検討を行うこととなった。

メカジキ
資源状態が健全であるとの結果を受けて、保存管理措置の導入についての議論は行われなかった。

(2) その他の資源に関する保存管理措置
カツオ
北上群のカツオ来遊量の減少について、北小委員会として、本委員会に対し懸念を表明するとともに、保存管理措置の考慮にこれを反映するよう求めることとなった。


【グリーンピース・ジャパンのWebより引用】
グ リーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「韓国が漁獲する太平洋クロマグロの9割は日本で消費されているが、資源状態の悪化が指摘され る魚種の漁業管理を拒否する国で生産されるクロマグロを購入・販売することは、生物多様性の保護にも、海の恵みを次の世代に残すことにも逆行する」とし、 もし韓国政府が12月までに今回の漁業規制案への留保を解除しない場合、日本の大手スーパーや飲食店チェーンに対し、韓国で生産されるクロマグロを取り扱 わないよう求めていく活動方針を明らかにした。
【引用ここまで】

結局制限拒否する韓国を非難するより、日本がクロマグロの消費をまず減少させなければならないのですね。
それに、やはりカツオ資源も心配な状況になってきますね。

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