2010年3月9日火曜日

日本人はどれくらいマグロを食べているのか

いよいよ大西洋と地中海のクロマグロが、ワシントン条約で取引禁止になりそうな趨勢です。

ICCAT=大西洋まぐろ類保存国際委員会の規制だけでは不十分だ、ということで今回の取引停止案が提出されている。こんなことになる前に何かできなかったのかと、つくづく思います。日本の主張としては、大西洋のマグロは注意深く漁獲量規制を守っていれば、漁業を継続できるだけ十分生息している。しかし、違法に操業したり、捕獲量を誤魔化す者がいるのが問題。というものでした。
あえていれば、ただそう主張してきただけかもしれない。
クロマグロに関しては、漁獲規制による捕獲量を超える量を輸入して、食べちゃっているらしいのだから。
欧米の国々が、違法操業が取り締まれないのなら、取引停止にするしかない、と言うのはある意味妥当性のある結論かも知れない。

ところで日本人は、どれくらいマグロを食べているのでしょうか。

FAO=国連食糧農業機関のデータによると
世界のマグロ消費量は
1975年約90万トン
2000年約190万トン
2004年約230万トン
と増え続けてきたが、
2008年は206万トンと
ここ数年は、規制などもあって減少傾向にある。
2008年データでは日本人が食べているのは54万トンで約四分の一。
数年前には60万トンを超え、比率も三分の一近かったので割合、量とも減少している。
欧米や中国での消費拡大も影響しているかも知れない。

魚種別で世界全体に占める日本の割合をここ数年の平均値でみると
ミナミマグロ=約10割
クロマグロ=約8割
メバチ=約6割
ビンナガ=約2.5割
キハダ=約2割
 となり、高級とされるクロマグロとミナミマグロのほとんどが日本で消費されており、この2種の保護について、日本の責任の重さが実感される。

クロマグロの価格は、規制を誤魔化しやすい畜養や違法操業による漁獲量の水増しのおかげで値下がりして、回転寿司屋でも使えるということだ。

値段が安いから、畜養業者は益々出荷量を増やさなければ採算がとれないという悪循環もあるらしい。日本のマグロ漁は正に清廉潔癖、一筋も違法な部分はないらしいが、正しい漁業さえしていればそれでよいということではなかった。違法なマグロを食べることは、やはり違法なのだという認識の欠如。
その規制に本気で取り組まなかったのが、現状を招いているのかも知れません。

消費量の半分以上を占める輸入クロマグロが途絶えたら、なおさら近海のクロマグロをしばらく休漁するなどして資源の育成期間が必要ではないでしょうか。

魚の持続可能性=フィッシュサステナビリティー(Fish sustainability) について考えてみましょう。

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